選ぶ前に知りたいこと:デジタル一眼レフカメラの表現力(ぼかす・長時間露光・高感度撮影)
皆さんの周りでも、デジタル一眼レフカメラを使っている人がたくさんいると思います。携帯電話でさえ1000万画素を超えるカメラを搭載している機種が複数ある今日この頃。なぜ携帯電話ではなく、そしてコンパクトデジタルカメラでもなく、高価なデジタル一眼レフを選ぶ人がいるのか??それは、価格以上の良さがあるからです。
ここでは、何が一眼レフカメラの良さなのか??ということについて、一眼レフカメラの表現面に焦点を当てて紹介します。また、機能面に焦点を当てたお話を知りたい人はこちら(『
選ぶ前に デジタル一眼レフカメラの機能面の良さ』)も合わせてご覧ください。
キレイなサクラ!!喜んで写真を撮ってみたら、背景に沢山の花見客・・・・
動物園に行ってみたら色んな動物が思ったより活発に動き回ってて。でも、写真を撮るとどの動物も止まったよう・・・・写真で動きを表現したいんだけどどうしたらいいの??
観光地で写真を撮ろうとしたら、ヒト ヒト ヒト・・・・・。もうお寺や風景写真撮っても訳のわからないヒトだらけでうんざり・・・・この人々を消してしまうことができたらなぁ
この間のデートで行ったお台場、夜景キレイだったなぁ。どうしたら夜景をキレイに撮れるんだろう??
写真を撮っていてこんな悩みありませんか??ハッキリ言います。こんな悩み、デジタル一眼とちょっとした知識さえあればすぐ解消できます(なんか深夜のテレビショッピングみたいですね・・・・・)。デジタル一眼があればできる表現方法は沢山ありますが、ここでは比較的簡単な、4つのことについて紹介します。
背景をボカシて、被写体をフィーチャー!!
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背景をぼかしていない写真
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背景をぼかした写真
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デジタル一眼は、レンズの絞り値を変えることで被写界深度を変化させられます。つまり、レンズについている取り込む光の量を変えるための絞り羽根と呼ばれる機構を調節することで、ピントの合う範囲を変化させることができるのです。絞り羽根を開放し、取り込む光の量を多くするとピントの合う範囲は狭くなります。そのため絞り羽根を開放した状態では、ピントを合わせた被写体のほんの狭い範囲しか写り込まず、その他の部分はピントがボケ、被写体の際立った写真が撮れるのです。
右の2枚の写真を見てください。最初の例の様にサクラとその背景にいる花見客の写真を用意したかったのですが、手持ちの写真に丁度良いの写真がなかったのでご勘弁を・・・・こちらは急遽用意した多摩動物園の昆虫館にいたオオゴマダラというチョウの写真です。まず左の写真を見てください。背景に昆虫館のフェンスがハッキリ写り込み、画面の中心にいるチョウが主役なのはわかりますが、チョウが映えず、また人工的な空間丸出しの写真になっています。しかし、右の写真はどうでしょう??背景をぼかすことにより主役のチョウが際立ち、また、後ろに何があるかわかり難くなったことで、『動物園の中』という印象が和らいでないでしょうか??このように背景がうるさい時、デジタル一眼なら簡単に背景をぼかしたスッキリさせることができるのです。
動きのある写真ってどうするの??
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背景に動きをつけた写真
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デジタル一眼はシャッタースピードを自由に変えることができます。そしてその機能を利用して、シャッタースピードを調節することで動きのある写真を撮ることが可能になります。
具体的には、シャッタースピードを遅くし、動いているものの軌跡を撮ることで動きを表現する方法と、動いているものの背景をぼかすことで動きを表現する方法があります。一応右にシャッターを開いている間、被写体と同じ速度でカメラを動かすことで背景に動きを出した写真を載せておいたのでごらんください。
なんとビックリ、前にいるジャマな人が消えた!??
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長時間露光撮影で観光客を消す
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4月の京都円山公園。有名なシダレザクラの写真を撮りに行ったら観光客の嵐。あまり近寄ったらサクラの木の全体が写りませんし、全体像を写そうと下がったら観光客が写りこんでうるさい写真に・・・・・こんなときに使うのが、シャッタースピードを遅くする長時間露光撮影。
観光客を消すマジックを使えるのは光の量が少なくなる夜です(但し光量を減らすフィルターをつけることで昼間にも同様の写真を撮ることも可能です⇒『NDフィルター』)。夜の光の量が少なくなる時間帯に、絞り値を絞り込んでより取り込まれる光の量を少なくします。そして30秒近くシャッターを開き続けてみるとあら不思議、観光客が全くいなくなっているではありませんか!!これは、長時間露光撮影では動いているものが写りこまないという特性を活かした撮影方法です。
ちなみに右の写真は2010年の円山公園のシダレザクラの写真。このときも前に観光客が(私もその1人なのですが・・・・)沢山いましたが、全く人が写っていないのがわかるでしょう。(これは全くの余談ですが、学生時代、私が京都に住んでいたときには枝振りも良く、もっともっと姿の良い立派なサクラだったんですよ・・・・久しぶりに見て思うものがありました・・・・)
デジタル一眼さえあれば、夜景をキレイに撮るなんて簡単!!
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高感度撮影による夜景
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夜景の写真が撮れないのは、夜景の発している光の量が少ないからです。ですから、夜景を撮るためには感度を上げるか(⇒高感度撮影)、長時間シャッターを開いて(⇒長時間露光)十分に光の刺激を撮像素子に与えてあげれば良いのです。そして最近のデジタル一眼のカメラは、高感度撮影にも強く、また長時間露光にも強くなってきているので、簡単に夜景や花火の写真が撮れるようになってきています。
右の写真はご存知お台場の夜景の写真です。この間夜景の写真の例のために撮ってきたのですが、これはオリンパスから発売されているPEN E-PL1(ペン ライト)で三脚を使わずに撮ったものです。最近のカメラの高感度撮影能力は非常に高く、レンズセットで10万円以下のエントリー機種でも三脚なしでこれぐらいの写真は簡単に撮れるので是非挑戦してみてください。
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