開放F値【かいほうえふち】
開放F値とは対象のレンズの絞り羽根を最大まで開ききった状態の明るさのこと。カメラのカタログなどでは、「F2.8」や「F3.5~F5.6」と記載され、この値が小さい程明るいことを示す。一般的に、同じ焦点距離のレンズでは、レンズの口径が大きい程集められる光の量が多くなるため開放F値も小さくなる。
開放F値の小さなレンズは取り込める光の量が多いので、暗い場所でもシャッタースピードを上げられ、結果、手振れや被写体が動いてしまって写真を撮れない等という現象を避けてくれる。そのため、スポーツや動物の写真を撮るのに向いており、よくサッカー中継などで映るカメラマンが大きなレンズのついたカメラを使っているのはこのためである。但し、開放F値の小さいレンズは、より多くの光を集める必要から、レンズの口径が大きくなる必要があり、結果、大型のものが多くなり、機動性に欠ける傾向がある。
また、F値が小さければ小さい程、被写界深度も浅くなり、結果、被写体の前後がボケたやわらかい写真が撮れることも知っておきたいことだ。