マイクロフォーサーズ比較・選び方入門(パナソニックのルミックス/一眼レフタイプ)
3D撮影・フルハイビジョン撮影が出来るGH2か、タッチで撮影が出来るG2か、軽くて安いG10か
マイクロフォーサーズを見た目で一眼タイプにしたら、次は一眼タイプの中で性能を比較していこう。
現在製造されている一眼タイプのGH2とG2、G10はどれもパナソニックが2010年に発売した新機種。この3機種の1番の違いは表題の通り。GH2は世界初の3Dの写真撮影を実現。また、非常に滑らかでクオリティの高いフルハイビジョンが撮影できる。一方G2は世界初のタッチムービー一眼となっており、写真はもちろん動画も液晶パネルに写る画像をタッチするだけでピントをあわせることが出来る。そして最後にG10だが、G10は動画撮影能を削ったり(AVCHD形式での記録は出来ず、Quick Time Motion JPEG形式の記録のみ可能)、液晶をタッチして操作できる機能を削った分軽量化が実現され、かつ値段も手ごろになっている。
もう少しそれぞれの特徴を詳しく説明する。LUMIX(ルミックス)のGH2は2009年の4月に発売されたGH1の後継機にあたる。代替わりに伴い撮像素子や画像処理エンジンが新型に変わり、画素数がアップしマイクロフォーサーズの中ではダントツの1605万画素を実現(G2及びG10は1210万画素)。また、ISO12800にまで対応するなど高感度撮影にも強くなっているほか、AFの高速化、液晶のタッチパネル機能搭載など様々な点で高機能化している。中でも他のミラーレスカメラと比べて特筆すべきは動画撮影能力だろう。このGH2同様にフルハイビジョン動画を撮影できるミラーレスカメラとしてはソニーのNEX-5があるが、NEX-5では動きの速い被写体を撮るとどうしても動きにぎこちなさが出てしまっていた。しかし、GH2は1秒間に撮影されるコマ数を60コマ(NEX-5は約30コマ/秒)まであげることで、非常に滑らかな動画撮影を可能にしている。この動画撮影能力はミラーレスカメラの中で抜きに出ていると言って良い。本体重量が392gではあるが、望遠側の14~140mmのズームレンズを装着した際に904gになってしまう点を気にしなければ、液晶を見ながらピントを合わせたい被写体をタッチするだけでピントがあわせられるタッチパネルの機能も非常に便利であり、おすすめの1台と言える。
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次はG2について。G2は2008年9月にミラーレス一眼として世界で初めて発売されたLUMIX(ルミックス)G1の後継機。GH2との主な違いは動画撮影能力と画素数、そして連写撮影能力になる。まず動画撮影能力だが、GH2はAVCHD形式による1920×1080画素のフルハイビジョン動画を秒間60コマ撮影でき、またステレオマイクの内蔵により高品質の音の録音が可能。一方G2は1280×720画素のハイビジョン動画を秒間30コマ撮影することが出来るが、撮影形式はAVCHDを簡略化したAVCHD Lite形式となり、また内蔵マイクもモノラル記録となっている。その点がGH2に劣る1点目。2点目としては画素数。GH2は1605万画素だが、G2は1210万画素で約400万画素程有効画素数が少ない。そして3点目になるがGH2は秒間5枚の高速連写が可能でかつ世界最速(2010年9月21日時点)のオートフォーカス機能を搭載しているが、G2は最速で秒間3.2枚と少々劣る。他にも最高ISO感度が6400でGH2の12800に劣るなど違いはあるが、世界で初めて搭載したタッチパネル式の液晶も非常に使いやすく、ピントもシャッターも液晶パネルを指で触れることで操作できるのはありがたい限りだ。上記の動画撮影能力・画素数・連写速度の差を許容できるなら、GH2とは価格差が2万円近くあるのでG2を選ぶのも良いだろう。
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最後に紹介するのはG10。このG10はLUMIX(ルミックス)G2の弟分にあたる位置づけのカメラで、外観の違いや操作性の違いは殆どないが大きな違いとしてはまず動画撮影機能が挙げられる。つまりG10は記録形式がQuick Time Motion JPEG形式のみとなるがG2ではQuick Time Motion JPEG形式に加えAVCHD Lite形式での記録も可能である点が1番大きな違いとなる。ただ汎用性や使い勝手の面から考えると、Quick Time Motion JPEG形式の方がAVCHD Lite形式より便利なことが多いので、この点はあまり気にする必要はないだろう。そしてもう1つの違いとなるのがタッチパネル式の液晶が採用されておらず、またフリーアングル機構が廃止され固定式になっている点。液晶をタッチしてピントを合わせられる機能はデジタル一眼入門者にとっては非常に便利な機能なのでこの機能がないのは少々残念であるが、逆にこのような機能があるG2やGH2が特殊なのでありタッチパネル機能がないG10が『劣る』と考えるのは酷であろう。これらの違いが気にならないのならば、これらの機能を削ったことでファインダーを搭載したレンズ交換式カメラの中では世界最軽量(2010年6月の発売時点)の336gを実現(G2は35g重い371g)し、またG2より価格が1万円ほど安くなっている点は魅力だ。
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まとめになるが、少々重い点とお金に問題がないのならGH2を買うことをおすすめする。特に動画や画質を気にする人はGH2を買うのが良いだろう。しかしより軽くて安いカメラが欲しいのならG2かG10での選択となる。この際の決め手はピント合わせを液晶をタッチすることで行える機能が必要か否か。この世界初のタッチパネル液晶が欲しい人はG2、いらない人はG10を買うのが良いだろう。
GH2 |
ブラック |
シルバー |
G2 |
コンフォートブラック |
コンフォートブルー |
コンフォートレッド |
G10 |
ブラック |
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