水中写真撮影入門(防水カメラとは)
折角海や川に行ったのなら、砂浜や河原で楽しく遊んだ思い出も、そして出来れば海の中で泳いでいたあのかわいいサカナも、しっかりと写真に収めて大事にとっておきたいと思う人は多いだろう。しかしカメラのような精密機械には、水はもちろん海水などもってのほかだし、砂浜の砂も故障の原因になる。だからと言って諦めきれないのが海や川のその美しさとその思い出の数々だ。
ここではそんな時に大きな力を発揮する
防水カメラの選び方について、防水カメラの特徴や防水のカメラケースの紹介から、コンパクトカメラタイプとデジタル一眼レフタイプの比較まで基本事項の紹介をする(防水コンパクトデジタルカメラの選び方とおすすめは『
防水コンパクトデジタルカメラ比較』をご覧ください)。
防水カメラとは
|
防水カメラケースと一眼レフで撮影したウミガメ
|
|
防水カメラで撮影したクマノミ
|
水中写真を撮影するための方法は大きく分けると2通りの方法がある。1つ目は防水性能のないカメラに防水性のあるカメラケースをつける方法。もう1つが防水性能のあるカメラを使う方法である。前者の防水性能のないカメラに防水性のあるカメラケースをつける方法で使うカメラは、通常のカメラなのでここでは特に触れないが、後者の防水性能のあるカメラ(以下『防水カメラ』と表記)の特徴に関してはここで簡単に触れておきたいと思う。
防水カメラの目立った機能はいくつかあるが、基本的に
・防水性能
・防塵性能
・耐衝撃性能
を有することが多い。つまり水中で撮影できるように、高い密閉性と水圧に耐えられる強いボディを有していると考えれば良い。防水性については後で詳述するのでここでの解説は省くが、防塵性と耐衝撃性についてはここで簡単に触れておきたい。
まず防塵性だが、これは海でカメラを使う人には是非おすすめする機能だ。やはり水中で写真撮影するといっても、砂浜で遊んでいる姿も撮影することもあるし、カメラを砂浜に置くこともある。こんなときに防塵性のないカメラでは砂などが入ってカメラが壊れてしまうことがある。現在発売されている国内メーカーの防水カメラはほとんど防塵性も備えているが、海での撮影を予定している人は防水カメラを買うときに防塵性がついているかチェックをしよう。
次に耐衝撃性だが、こちらは現在発売されている防水カメラでは1.5m~2.0mの耐衝撃性能を有するカメラが多く、私としては耐衝撃性能は1.5mもあれば十分であると思っているのであまり防水カメラを選ぶときには気にしないで良いと思う。というのも、私たちの身長から考えて、2.0mもの高さでカメラを操作する可能性は低いからだ。
『防水カメラ』と『通常カメラ&防水カメラケース』の比較
|
OLYMPUSの防水カメラToughシリーズ
|
|
Toughシリーズの防水カメラケース
|
ではここからは、具体的に防水カメラを選ぶときのポイントを解説していく。まず始めの選択は、防水性のあるカメラを買うか、通常カメラに防水カメラのケースをつけるかという選択だ。
このときまず考えて欲しいのは今使い慣れているカメラがあるならそのカメラを活かす道だ。つまり、今使っているカメラに防水性のカメラケースがあるならその防水カメラケースを買って使用するという手段をまず考えてほしい。やはりこの手段が経済的でもあり、また使い慣れたカメラを使えることでよい写真を撮影できることにもつながる。
その上で、今使っているカメラが古かったり、そのカメラに専用の防水カメラケースがない場合は、新しくカメラを購入することになるだろう。そのときに、防水カメラを買うか、通常カメラ&防水カメラケースを買うかの選択になるが、このときの比較ポイントはあなたがどれぐらい潜る可能性があるかということだ。私の経験や、専門家の意見や私の経験から言えることは8m以上潜って撮影をするか否かが防水カメラケースが必要か否かのボーダーラインになる。つまり8m以上潜らず、浅瀬や河原のみで撮影をする方は単体で防水性能のあるカメラで十分であるし、一方8m以上潜る方は防水のカメラケースをつけることが出来るカメラを選び、防水カメラケースを別で購入することをおすすめする。
防水コンパクトデジタルカメラの選び方とおすすめは『
防水コンパクトデジタルカメラ比較』をご覧ください。
防水コンパクトデジタルカメラ比較
今回は防水コンパクトデジタルカメラの選び方とおすすめを紹介する。
今度海に行くから、今度川に行くから防水カメラがほしいけどどれを選んだら良いかわからないという人は、ここで紹介する比較ポイントを参考にして目的に合った防水カメラを見つけて欲しい。
防水コンパクトデジタルカメラの比較ポイント1(防水性能)
|
素潜りで撮影したクマノミ(水深5m)
|
防水性能とはその防水カメラがどれぐらいの深さまで沈めても壊れないかということを表す指標で、その表示単位は水深(m)である。そして防水コンパクトデジタルカメラを買うのだから、防水性能が最も注目すべき機能であるのは言うまでもない。ではどれぐらいの防水性能があったら良いのだろうか??
現在発売されている防水コンパクトデジタルカメラの防水性能は3m~10mのものが主流となっている。そして用途によって必要な防水機能は変わってくる。つまり、水がかかる程度の使用なら生活防水程度のカメラで大丈夫だし、完全に水につけて使うのなら十分な防水性能が欲しい。私の経験から言うと、ギリギリの防水性能のカメラではなく、少し余裕のある防水性能のあるカメラを買ったほうが良いと思う。というのも、浸水してデータが消えてしまってからでは取り返しがつかないし、何より海や川に行って使っていると、はじめは水中の写真までは撮影する気がなかったとしても、やはり水中を泳ぐ魚や友人、彼・彼女の写真を撮影したくなるのが人情というものだからだ。
そんなことも踏まえて使うシーン毎に必要な防水性能をまとめた表を以下に掲載したので見て欲しい。
1.
|
主に波打ち際や足のつくところで撮影する。カメラを水につけて水中写真を撮影するというよりは、浜辺や波打ち際で撮影することによりカメラに水がかかる程度の撮影しかしない。
|
3m防水で十分
|
2.
|
シュノーケルなどを使い水中写真を撮影する。そんなに深く潜って水中写真を撮影するわけではないが、カメラを常に水につけ、水中撮影をする。
|
5m以上できれば10m以上の防水性能が欲しい。
|
3.
|
シュノーケルやボンベなどの器具を使い8m以上潜って撮影する。
|
防水性のカメラケース(ハウジング)が必要。
|
簡単な分類になるが、自分がどのような撮影をするか考えて、上記の表を参考に必要な防水性能を選んで欲しい。
防水コンパクトデジタルカメラの比較ポイント2(防塵性能)
こちらは以前の記事でも書いたが、防塵性能は海で防水カメラを使う人には必須の機能だ。やはり砂浜の砂は精密機械のカメラにの大敵なので、海での使用を考えている方は防塵性能がある防水カメラを購入した方が良いだろう。そして幸いなことに、現在発売されている国内メーカーの防水カメラはほとんどが防塵性を備えているのでとりたてて気にしないでも大丈夫であるが、一部の海外メーカーの防水カメラには防塵性能の備わっていないカメラもあるので、購入するときには一応確認した方が良いだろう。
防水コンパクトデジタルカメラの比較ポイント3(耐衝撃性能)
|
防水コンパクトデジタルカメラ 対衝撃性能
|
3つ目の機能として、耐衝撃性能だが、この耐衝撃性能はどれぐらいの高さから落としても壊れないかということを表し、その表示単位は高さ(m)となる。私達日本人の平均身長からして、1.5m以上の所からカメラを落としてしまう機会は少ないので、1.5mの耐衝撃性能があれば十分だが、心配な人は2.0m以上の耐衝撃性能の防水カメラを購入すれば安心だ。
防水コンパクトデジタルカメラの比較ポイント4(手振れ補正)
4つ目のポイントになるのが、手振れ補正機能だ。手振れ補正機能とは、写真を撮影する際のカメラに対する振動や揺れを打ち消し、結ばれる像にブレが生じないようにしてくれる機能だが、これは防水カメラでも結構重要になってくる機能だ。というのも、多くの人が旅行や遊びのときには、防水カメラかもしくは普通のカメラのどちらかしか持って行かないため、防水カメラと言っても水中以外の陸上での撮影も行うこととなる。そして、手振れ補正機能は水中では殆ど力を発揮しない機能だが、陸上では非常に大きな力を発揮してくれる機能なので、購入の際にはこの手振れ補正機能も必ずチェックしておきたい。
では手振れ補正機能を選ぶ際の注意点だが、光学式の手振れ補正機能がついているものを選ぶようにしよう。というのも、手振れ補正機能には「光学式」と「電子式」があり、光学式はカメラに対する振動や揺れと反対にレンズや撮像素子自体を動かすことでブレをなくすが、電子式は画像が撮像素子で読み込まれた後にブレを補正している。そのため、物理的にブレを補正してくれる光学式の手振れ補正機能の方が、より効果が大きいためだ。
おすすめの防水コンパクトデジタルカメラ紹介
では上記の4ポイントを踏まえて、おすすめの防水コンパクトデジタルカメラは何かと聞かれると、やはりOLYMPUS[オリンパス]のTough[タフ]シリーズとなる。やはりOLYMPUSは防水カメラに非常に力を入れているだけあって、防水性能のチェックを抜き取り検査ではなく全数検査によって行っているので、その製品の品質は折り紙つきである。また、長きに渡り水中写真と付き合ってきただけあり、地上のように自由の利かない水中でも操作がしやすい設計になっているので、まずはOLYMPUS[オリンパス]のTough[タフ]シリーズを検討することをおすすめする。
また、このシリーズの全ての機種が上記の防塵性能、光学式手振れ補正機能を備えているので、必要な防水性能を踏まえてどのカメラにするか決めると良い。
▼主に波打ち際や足のつくところで撮影する程度
▼浜辺や波打ち際で撮影することによりカメラに水がかかる程度の撮影
|
おすすめはOLYMPUSの防水カメラToughシリーズのTG-310。防水性能は3m、耐衝撃性能は1.5mだが、Toughシリーズに共通している防塵性能、光学式手振れ防止機能を備えている。水がかかる程度の撮影ならこのTG-310で十分だろう。
ちなみにカラーは右の画像のホワイトの他にオレンジとレッドがあるので、好きなカラーを選べるようになっている。
▼OLYMPUS公式サイトで 詳細を確認する方はこちら >> TG-310 (公式オンラインショップでもあります)
▼ OLYMPUSの防水カメラ Tough TG-310の価格を確認する方はこちら >> amazon YAHOO!ショッピング 楽天 ビッグカメラ
|
|
OLYMPUSの防水カメラ TG-310
|
▼シュノーケルなどを使い水中写真を撮影
▼そんなに深く潜って水中写真を撮影するわけではないが、カメラを常に水につけ、水中撮影をする
|
カメラを水中につけて撮影するならやはりTG-810をおすすめする。もちろんTG-615でも5m防水の性能があり十分な機能ではあるが、価格にはほとんど差がない点を考えるとTG810を買うのが良いと思う。
カラーとしてはTG-615はシルバー、ピンク、グリーンの3色、TG-810は右の写真のシルバーに加え、ブラックの2色が発売されている。
▼OLYMPUS公式サイトで 詳細を確認する方はこちら >> TG-615 TG-810 (公式オンラインショップでもあります)
▼ OLYMPUSの防水カメラTG-615 TG-810の価格を確認する方はこちら >> TG-615:amazon YAHOO!ショッピング 楽天 ビックカメラ >> TG-810:amazon YAHOO!ショッピング 楽天 ビックカメラ
|
|
OLYMPUSの防水カメラ TG-810
|
▼シュノーケルやボンベなどの器具を使い8m以上潜って撮影
▼水中で長時間の撮影を行う
▼水中用のグローブなどを装着してカメラを操作する
|
やはり8m以上潜るのなら防水のカメラケース(防水プロテクター・ハウジング)が欲しい。特に長時間潜るのなら必ず防水のカメラケースを使うようにしよう。この防水カメラケースは40mまでの防水性能があり、シャッターボタンなどの操作ボタンが押しやすいように設計されているので、グローブなどをはめた状態でも細かい操作が可能になっており水中撮影時の強力なアイテムとなる。但し、TG-310には使えないので注意が必要。
▼OLYMPUS公式サイトで 詳細を確認する方はこちら >> こちら
▼ OLYMPUSの防水カメラケースの価格を確認する方はこちら >> amazon YAHOO!ショッピング 楽天 ビックカメラ
|
|
OLYMPUSの防水カメラケース(ハウジング)
|