雲台
雲台とはカメラと三脚の架台本体の間に入れ、カメラを自由な方向にむけて固定するための器具のこと。製品によっては雲台と三脚が一体になっているものもあるが、ある程度以上の三脚になると雲台を交換できるようになっている。
下手な例えになってしまうが三脚を私たち人間の体、カメラを頭とすると雲台は首にあたる部分となる。よって体に当たる三脚がしっかりしていないと頭が安定せずものが良く見えないし、また首に当たる雲台の操作性が悪いと動くものを正確に捉えられなかったり、思い通りの範囲を撮影できなくなってしまうのは想像に難くないだろう。そのため雲台は思い通りの撮影をするためには非常に重要な器具であり、結果様々な用途に対応した雲台が製造されている。左にその雲台の主な種類を挙げておいたので簡単に見てみよう。
まず自由雲台(ボール雲台/ボールヘッド)であるが、これは雲台の可動部がボール状の球体で出来ているため非常にスムーズにカメラを操作できる特徴を持つ。そのため動物撮影や、スポーツ撮影などの動き回る被写体の写真撮影時に向いている雲台といえる。
次にパノラマ雲台だが、この雲台は回転するパノラマ式ディスクによって360°のパン動作が自由に行えるため、パノラマ雲台単体でその名の通り正確なパノラマ撮影を補助したり、野生生物やスポーツ撮影の精度向上のために他の雲台と組み合わせるパン・ペースとして利用したりすることも出来る。
3ウェイ雲台はその名の通り水平方向・垂直方向・傾きの3方向をそれぞれ独立して操作できる雲台なので、アングルの微調整が必要な写真の撮影や動き回らない風景写真の撮影などに大きな力を発揮する。
ビデオ雲台は油圧などの抵抗によりゆっくりとスムーズな動きをするため、ビデオ撮影時はもちろん望遠レンズなどの重いレンズを用いた撮影でも雲台が急激に動く心配がなく大きな力を発揮する。
最後にジンバル雲台はだが、このジンバル雲台はカメラの固定部を回転軸より下にすることでカメラの重心と雲台の回転軸を一致させ、大きなカメラでも小さな力でスムーズに動かすことが出来る。そのため動き回る被写体を超望遠レンズで撮影するときや、デジスコでの撮影時に力を発揮する。
ジンバル雲台
ジンバル雲台とはカメラの固定部を回転軸より下にすることでカメラの重心と雲台の回転軸を一致させ、大きなカメラでも小さな力でスムーズに動かすことが出来るようにした雲台のこと。
ジンバル雲台は本来動き回る被写体を超望遠レンズで撮影するために開発された雲台で、重心が雲台の回転軸より上にある通常の雲台のようにある程度以上カメラを傾けても自重でカメラがお辞儀してしまうことがない。また既に書いたが重心と回転軸の一致により非常に小さな力でカメラを操作でき、素早く正確に鳥などの激しく動き回る被写体をとらえることができる。
最近ではフィールド・スコープ(野鳥観察用の望遠鏡)とコンパクトデジタルカメラを組合せたデジスコ(コンパクトデジタルカメラの『デジ』とフィールド・スコープの『スコ』に由来)での撮影にもジンバル雲台を使っている人が多い。
パンハンドル
パンハンドルとはその名の通り雲台についた『パン(Pan)』をする際に使うための取っ手(ハンドル)のこと。パン棒と呼ぶこともある(左の写真の水平に突き出た棒の部分)。
パン(Pan)とは『パノラマ(Panorama)』を語源とし、固定したカメラを左右に振ることを指して呼ぶ。また上下に振ることは『ティルト』と呼ぶが、常用的に左右でも上下でも『パン(Pan)』と呼ぶことが多い。
パン棒
パン棒とはその名の通り雲台についた『パン(Pan)』をする際に使うための棒のこと。パンハンドルと呼ぶこともある(左の写真の水平に突き出た棒の部分)。
パン(Pan)とは『パノラマ(Panorama)』を語源とし、固定したカメラを左右に振ることを指して呼ぶ。また上下に振ることは『ティルト』と呼ぶが、常用的に左右でも上下でも『パン(Pan)』と呼ぶことが多い。
ビデオ雲台
ビデオ雲台とは厳密な定義はないが、特にパン棒があり油圧などの抵抗によりゆっくりとスムーズな動きを実現する雲台のことを指して呼ぶことが多い。
ビデオカメラでの撮影は被写体の瞬間瞬間を切り取る写真カメラの撮影とは異なり、被写体の連続した一連の動作をとらえるためカメラのゆっくりと滑らかな動作が必要とされる。それを実現するのがこのビデオ雲台で、パン棒を緩めても油圧のおかげで雲台がゆっくりとスムーズに動くことが出来る。
またこの油圧機能は、望遠レンズをセットしたデジタル一眼レフカメラでの撮影時に雲台をある角度以上傾けた際にレンズの重さで雲台がガクンと急激に動くこと(お辞儀してしまうこと)を防いでくれるので、望遠レンズでの撮影時にビデオ雲台を利用する人も多い。
3ウェイ雲台
3ウェイ雲台とはその名の通り水平方向・垂直方向・傾きの3方向をそれぞれ独立して操作できる雲台のこと。自由雲台(ボール雲台/ボールヘッド)と比べると大きさが大きくなる傾向がある。
3ウェイ雲台は水平方向・垂直方向・傾きのそれぞれの方向の操作を独立して行えるため、自由雲台(ボール雲台/ボールヘッド)の難点である水平方向や垂直方向、傾きのみの微調整が正確に出来、アングルの微調整が必要な写真の撮影や動き回らない風景写真の撮影などに大きな力を発揮する。また3ウェイ雲台は動き回る被写体の撮影にも力を発揮し、特に大きな超望遠レンズ等を利用した撮影の時には大きな力を発揮する(当サイトに掲載されている動物写真の中には超望遠レンズと3ウェイ雲台のセットで撮影したものも多数ある)。但し動き回る被写体は自由雲台やビデオ雲台で撮影するのが一般的。
パノラマ雲台
パノラマ雲台とは回転するパノラマ式ディスクによって360°のパン動作が自由に行える雲台のこと。
同平面での横方向の操作を正確かつスムーズに実現してくれるため、パノラマ雲台単体でその名の通り正確なパノラマ撮影を補助したり、野生生物やスポーツ撮影の精度向上のために他の雲台と組み合わせるパン・ペースとして利用したりすることも出来る。
ボールヘッド
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ボールヘッド
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ボールヘッドの可動域
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ボールヘッドとは自由雲台(ボール雲台)のことで、雲台の可動部がボール状の球体で出来ているためボールヘッドと呼ばれる。
ボールヘッドはボール状の球体とそれを締め付ける1つのロックで雲台の動きを制御するため、非常にスムーズにカメラを操作できる特徴を持つ。そのため動物撮影や、スポーツ撮影などの動き回る被写体の写真撮影時に向いている雲台といえる。但しボールヘッドは自由雲台と呼ばれることからもわかるように操作時の自由度が非常に高いが、横方向のみや縦方向のみ等の1方向のみへの微調整が難しいという欠点もあり、被写体が動き回らない風景写真等の撮影にはボールヘッドではなく3ウェイ雲台等の雲台を用いることが多い。
ボール雲台
ボール雲台とは自由雲台のことで、雲台の可動部がボール状の球体で出来ているためボール雲台と呼ばれる。
ボール雲台はボール状の球体とそれを締め付ける1つのロックで雲台の動きを制御するため、非常にスムーズにカメラを操作できる特徴を持つ。そのため動物撮影や、スポーツ撮影などの動き回る被写体の写真撮影時に向いている雲台といえる。但しボール雲台は自由雲台と呼ばれることからもわかるように操作時の自由度が非常に高いが、横方向のみや縦方向のみ等の1方向のみへの微調整が難しいという欠点もあり、被写体が動き回らない風景写真等の撮影にはボール雲台ではなく3ウェイ雲台等の雲台を用いることが多い。
自由雲台
自由雲台とは雲台の可動部がボール状の球体で出来ている雲台のこと。
自由雲台はボール状の球体とそれを締め付ける1つのロックで雲台の動きを制御するため、非常にスムーズにカメラを操作できる特徴を持つ。そのため動物撮影や、スポーツ撮影などの動き回る被写体の写真撮影時に向いている雲台といえる。但し自由雲台はその名の通り自由度が高い分横方向のみや縦方向のみ等の1方向のみへの微調整が難しいという欠点もあり、被写体が動き回らない風景写真等の撮影には自由雲台ではなく3ウェイ雲台等の雲台を用いることが多い。
バサルト三脚
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GITZOのバサルト三脚製造プロセス
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バサルト三脚とは火山の玄武岩(バサルトロック)から作られるバサルトファイバーで出来た三脚のことで、最も軽量で剛性の高いカーボン三脚に迫る軽量さと剛性、そして振動吸収性等を発揮する。
このバサルト三脚はGITZOが世界で初めて開発した三脚で、アルミ三脚よりはるかに軽いうえ、高い性能を発揮するカーボン三脚より価格が安く購入しやすい特徴がある。
カーボン三脚
カーボン三脚とはその名の通りカーボンファイバーで出来た三脚のことで、非常に軽く持ち運びに便利であり、かつ屈曲剛性や振動吸収性に富み強度も高いという非常に優れた特性を持つ三脚。
カーボン三脚は先進の航空宇宙産業の技術や各社独自の技術が採用されており非常に性能が高く使いやすいが、他の材質の三脚(アルミ三脚やアルミ・マグネシウム・チタン合金三脚、バサルト三脚等)と比べると価格が高くなる傾向がある。
三脚(カメラ用)
三脚とは3本の脚を持つ台のことで、英語でも3を意味する接頭辞『tri-』を含む語『tripod』で表現される。カメラ用の三脚の目的は主に2つがあり、1つ目がセルフタイマー等を使った記念撮影をする目的。もう1つが手振れを防止する目的である。
まずカメラ用三脚の1つ目の目的であるセルフタイマー撮影についてであるが、この際に使う三脚は持ち運びに便利なコンパクトで軽量な三脚が多く用いられる傾向がある。
コンパクトで持ち運びに便利な三脚は
『コンパクト三脚』の記事一覧 ポケットにも入るミニ三脚は
『ミニ三脚』の記事一覧
次に、カメラ用三脚の2つ目の目的である手振れ防止についてであるが、これは超望遠レンズ等手持ちが不可能なカメラとレンズのセットで撮影する際の補助目的と、夜間や夕方、もしくは曇りの撮影等光量が少なくシャッタースピードが上げられない状況下での撮影を補助する目的の2つ目的に大別される。
左に超望遠レンズで撮影した写真と夜間にシャッタースピードを遅くした超時間露光撮影で撮影した写真を掲載する。この写真はどちらも三脚を利用して撮影しており、左のオジロワシの写真はGITZOのシステマティック三脚とNIKONの600mm(F 4)のレンズのセット、右のしだれ桜の写真はManfrottoの中型三脚とNIKONの24mm-70mm(F 2.8)のレンズのセットで撮影した写真である。オオワシの写真は風も強く非常に長いレンズを用いていた状況下での撮影であったし、しだれ桜の写真は20秒以上シャッターを開いたままでの撮影であったが、三脚のおかげで全く手振れが生じていないのがわかると思う。
望遠レンズでの撮影にも耐える大型三脚は
『大型三脚』の記事一覧 普段使いに便利な中型・軽量三脚の一覧は
『中型・軽量三脚』の記事一覧
このように適切な三脚を用意することで撮影の幅が非常に広がるので、まずは自分のカメラと目的に合った三脚を1脚選んでみよう。
SLIK(スリック)カタログ一覧
頑丈さと徹底した軽量化を両立し、先進技術による機能性を追及する日本の三脚メーカー。固定のし忘れがなく構図を決めやすいSLIK(スリック)独自のグリップ式雲台や三脚の開脚角度を思いのままに設定できる特許技術開脚ストッパーなど様々な工夫の凝らされた三脚や一脚・雲台を提供しています。そんなSLIK(スリック)の三脚を確認してみましょう。
SLIK(スリック)最新版カタログ
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GITZO(ジッツオ/ジッツォ)カタログ一覧
三脚と言えば『GITZO(ジッツオ/ジッツォ)』と言われる程の三脚と雲台における高い評価で知られるフランスのカメラ関連メーカーGITZO(ジッツオ/ジッツォ)。その製造する三脚や雲台の品質は非常に高く、世界中のプロカメラマンに愛用されていることでもその評価がわかるでしょう。またGITZO(ジッツオ/ジッツォ)はカーボンファイバー三脚やバサルト三脚、マグネシウム雲台を世界で初めて開発したことでも有名です。そんな世界のGITZO(ジッツオ/ジッツォ)の三脚や一脚、雲台を使って最高の写真を撮影しましょう。
GITZO(ジッツオ/ジッツォ)最新版カタログ
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GITZO(ジッツオ/ジッツォ)の三脚や一脚購入時に注意して欲しいのは三脚や一脚、雲台など全てのGITZO(ジッツオ/ジッツォ)製品はその製品もしくはその製品に最適な三脚や一脚の脚チューブの太さによるシリーズに分類されていることです。シリーズは「00.」〜「5.」の7段階があり、製品コードのGTやGM、GHなどに続く1けた目の数字として表示されます(三脚や一脚の場合、一段目の脚チューブの太さでシリーズが決まり、16mmが「00.」、20mmが「0.」、24mmが「1.」、28mmが「2.」、32mmが「3.」、37mmが「4.」、41mmが「5.」となる)。そしてこの数値を目安に各三脚や一脚に最適な雲台やバッグを選ぶことが出来ます。是非シリーズの分類をヒントに『世界のGITZO(ジッツオ/ジッツォ)』の実力を実際に味わってみてください。
BENRO(ベンロ)カタログ一覧
BENRO(ベンロ)は1995年に創業した新興の三脚や雲台を作る中国のカメラ関連メーカーです。創立から15年目の2010年には三脚の世界シェア30%を達成していることからもわかるように、その品質の良さと比較的手ごろな価格を武器に急速に成長しているメーカーです。
カスタマー登録をすると最長で5年間の無料長期保障が受けられる点も魅力のBENRO(ベンロ)の三脚や一脚、雲台を見てみましょう。
BENRO(ベンロ)最新版カタログ
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